カジノ完成と同時にできた屋上のガラスドームは当初ディナーショーの会場でした。熱帯雨林の雰囲気の中、キャバレーショーやマジックショーを楽しみながらアラカルトディナーを楽しめる施設だったのですが、あまり活用されないまま2年程が過ぎました。
その後数ヶ月をかけたデザインとフィージビリティ検証、市場調査を経てPort Douglas Reef Resorts社が$250万ドルをかけてケアンズ・ワイルドライフ・ドーム(当初はケアンズ・レインフォレスト・ドームと命名)に改装。2003年3月より改装工事が始まる。
動物園への改装には様々な困難にも直面、
- 施設内すべての外壁から1cm以上の隙間をなくす
- ガラスドームの開口部(3x3m)を通してすべての建築資材をクレーン車で地上から搬入
- 160トンもの廃棄物をわずか1/4トンの容量のゴミ容器にて搬出
- 外からの大型クレーンのほかに園内での作業用に小型クレーンも必要
- 一度は最終設計までしたものの建物の強度とその重さによってワニの池の場所を変更。池の原型のブロックの隙間は通常の砂ではなく、高密度のポリスチレンを使用。
- 屋外用日よけネットを天井からすべての壁内側に張り渡すことで鳥たちがガラスにぶつからないように工夫。
- 4mのゴライアスも木箱に入れられてクレーンで外から搬入、ロープでしばってあったのは口の部分のみ!さらに園内のクレーンで現在の住処へ引越し。この作業だけで1時間半もかかりました。
- 園内には最終的に3000本もの植栽、120トンの土、5万リットルの水、28kmに及ぶ日よけネットが運び込まれました。
こうしてようやくワイルドライフドームが完成したのが2003年の12月、その後より動物とのふれあいが楽しめる様々な改善が引き続き行われています。
ドームでは生き物とのふれあいを通して、楽しみながらその生態や熱帯雨林のエコシステムを学ぶ機会を提供しています。
2005年にドームは1976年よりキュランダのレインフォレステーションとトロピックウィングスを経営するピップ&チャールズ・ウッドワード夫妻に売却され現在に至ります。
あわせて2005年にウッドワード家は経営するその他の施設を含めたグループの総称としてCaPTA Group(キャプタ・グループ)を創設しました。
2012年にはこのドーム内に新しいアトラクションとしてケアンズ・ズームを建設、開業しています。